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私の所属するプログラムについて MSPH in Health Education and Health Communication

eye catch MSPH

執筆者:マリナ

こんにちは!マリナです。今は2025年1月3日で、1ヶ月の冬休みの折り返しにかかった頃になりました。ようやくまとまった時間ができたため、ホプキンスの半年を振り返りたいと思います。

まず第一弾は、私の入学しているプログラムについて書きたいと思います。プログラム選びの失敗談についてもお伝えします。

目次

MSPHとMPHについて

MSPHとは、Master of Science in Public Healthという名称の学位で、Master of Public Health (MPH)とは少し異なります。名前としては、Scienceが入っているかどうかになりますが、日本語にするとどちらも公衆衛生修士と訳され、日本においては違いが明確にされているわけではありません。
海外においても、MSPHとMPHの違いを明確に定義されているかは分かりませんが、いくつかのサイトの説明から推察すると、以下の通りMPHはpractical (実務的) な一方で、MSPHは専門を決めて研究を目的に学ぶプログラムのようです。

MPH programs are all about hands-on application and working across disciplines, while MSPH programs lean more toward honing research and analytical skills.

応募する際に、ホプキンスのMPHは2-3年の実務経験が必須ですが、MSPHは実務経験が必要ないことがほとんどです。MPHはホプキンスでは11ヶ月のプログラムとなり、実務を行なっている政策立案に携わる生徒などが短い期間で修了できるようにされています。一方、MSPHのプログラムは2年間であり、学生は学部卒の人が多く、研究方法をじっくり学んでいく、というスピード感です。

実際、私の所属している分野のDepartment of Health, Behavior and SocietyのMSPHの1年生は27名いますが、そのうち8-9割は学部から直接進学です。さらに、私はヘルスコミュニケーションが専門だからか、インターナショナルの学生が少なく、20人ほどはアメリカ国籍、またはインターナショナルだけれども学部がアメリカの大学卒業などの学生が多いです。International Healthの分野だと、逆の割合になると思います。

イギリスやアメリカで公衆衛生におけるMaster of Scienceの学位プログラムが導入されていますが、日本では少なくとも東京大学にはないと思います。

私の所属するプログラムについて

私の入学しているプログラムについてお伝えしたいと思います。
私はホプキンスのMSPH in Health Education and Health Communicationという2年間のプログラムに入学しました。公衆衛生における健康教育とヘルスコミュニケーションを専門に学ぶプログラムです。

MSPH
プログラムの概要


2024年8月後半に入学し、2026年の5月末に卒業する予定の2年コースになります。

健康教育とヘルスコミュニケーションを専門とするため、インターナショナルの学生は少ないです。インドネシアやタンザニア、中国からの学生、そして日本人は私1人でした。ほとんどのインターナショナルの生徒は医療系や公衆衛生の実務経験がある一方で、アメリカからの学生は学部から直接進学する人が多い印象です。

1年目に必須のコースワーク(授業)を受け、2年目に半年間のインターンシップ、その後卒業論文が課されています。STEMのプログラムなので、卒業後も数年はアメリカで働くことができます。

授業について

一年目に最低64単位を取得する必要があり、必修授業のみで単位取得がほとんど満たされるというシステムになっています。そのうち、40単位ほどは直接的に行動変容、コミュニケーション、心理学に関連する授業で、どれも大変興味深かったです。

他の合計23.5単位分の必修授業は、疫学の基礎、統計の基礎 (1-2)、アメリカのヘルスケアシステム、他にオンライン授業で基礎的な公衆衛生分野の授業を幅広く(Environmental Health、Qualitative、One Health、Systems Thinking等)といった感じでした。このオンラインの0.5単位の授業は、すべてE-learning形式で動画を見てテストを受けるといった内容です。統計や疫学も対面、またはオンラインのどちらかを選択できました。

私の最も興味のある分野であるヘルスコミュニケーション、説得的コミュニケーション、行動変容プログラムの評価方法の授業、ヘルスリテラシー、行動変容の政策の授業、などそれぞれの分野が独立して4~5単位の授業を提供しているところがホプキンスの素晴らしさだと思います。それぞれの分野を深掘りして教えることのできるファカルティーがいることが驚きでした。所属しているHealth Behavior and Society (健康行動と社会)分野のファカルティーだけでもおおよそ60人、さらに分野の提供する学位プログラムが5つ、と信じられない規模です。さすが、全米1位をキープし続けている公衆衛生大学院!といった感じです。

私はこの規模感に惹かれ、ホプキンスに進学することを決めました。60人近い先生方が健康行動学における多種多様な研究テーマを同時に進めているこのマンモス校で、私も自分の興味のある分野を突き進めたい!と思います。

各ターム(8週間)ごとに22単位を上限として授業を履修、聴講できます。私の場合は、各タームごとに必修教科だけでいっぱいいっぱいになり、追加で興味本位で受講できる授業は多くて2つまで、といったところです。

そのため、どのプログラムに入学するかによって受講できる授業が大きく決定されてしまうため、応募するプログラムの必修科目をしっかり確認することをおすすめします。

Field Placementについて

このプログラムでは、半年間、かつフルタイムのフィールドプレースメントが卒業に必須になります。
入学前の私は、軽い気持ちでいい経験になりそう、としか考えていなかったのですが、結構厄介なことがわかりました。
というのも、まず半年間フルタイムで雇ってくれる雇用先を自分で見つけてこなくてはいけません。アメリカで。
普通に就活です。
LinkedIn、就活サイトなどを見て自分で応募、面談、採用まで進めなければいけないのです。私は入学前はてっきり応募先リストみたいなものが用意され、歴代の先輩が働いた場所で自分も働けるものとばかり考えていました。

そんなことはありません。特に、インターナショナルの学生には厳しいです。学内のリクルートフェアにいっても、企業のほとんどがアメリカ国籍の学生のみ受け入れ、なんてことはよくあります。ビザの関係もあり、なかなか厳しい戦いになると思います。私の一つ上の先輩は、雇用先が見つからず留年したと風の噂で聞きました。

私は今から探すので、頑張りたいと思います。1年後に更新しますので、お楽しみに。。。

Certificateについて

ホプキンスでは、学位の他にCertificateという認証プログラムが提供されています。これはFull timeの学生であれば、授業を受講するのみで無料で取得できるものになります。
私は2つのCertificateを取得する予定で、Health CommunicationImplementation Science and Research Practiceの授業を選択しています。ヘルスコミュニケーションに至っては、プログラムの必修授業を受講するだけで取得できます。実装科学 (Implementation Science)に関しては、追加で9単位を取得する予定です。

Certificateを取得するべきか、については議論が分かれると思いますが、私の周辺のプログラムの友人はほとんど全員取得を目指しています。なぜかというと、ResumeやCVに書け、就職に有利になるかもしれない(?)からです。

私が取得する理由は大きく2つ。

  1. アメリカでインターンシップを探す時に有利になるかもしれないから。
  2. Certificateの希望する分野を極めるために取るべき授業がOrganizedされているから。

入学前に、気になるCertificateや提供されている授業科目をみてみるといいかもしれません。入学するプログラムの参考にもなります。

プログラム選びのアドバイス

健康教育やヘルスコミュニケーションに興味があり、ホプキンスのMSPHを検討している方にアドバイスをぜひさせてください。おこがましい限りですが、私の失敗談もぜひ参考にしてほしいなと思います。

まず、以下のことを念頭にプログラム選びを慎重にしてください。

  • 6ヶ月のフィールドプレースメントに興味があるか、雇用先を見つける自信があるか。(私はない。。)
    MHSというプログラムもあり、こちらはフィールドプレースメントは必要ありません。こちらのプログラムも参考にしてみてください。また、他の分野のMSPHの場合、フィールドプレースメントの要項が少しゆるいらしいですので、他の分野のMSPHも探してみてください。
  • 必修授業に興味分野が含まれているか。取りたいCertificateと必修授業がoverlapしているか。
    ほとんど必修授業で単位を取り切ってしまうため、プログラムの授業とcertificateの授業が被っているのかをしっかりと確認してみてください。

といった感じです。私は自分のプログラム選択に後悔はありません。ですが、入学前に知っておきたかったことをまとめましたので、ぜひご参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

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